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立地企業インタビュー

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メンバーズ株式会社

2015年に北九州市へ進出したメンバーズ株式会社は、デジタルマーケティング運営支援を中心とした事業を展開し、仙台にも支社を構えています。現在は特に若手の育成にフォーカスしており、新卒社員の育成に地方拠点を活用しているのだとか。

短期間ながらもめざましい活躍を見せるメンバーズの取締役CFO 兼 常務執行役員の小峰正仁様(以下、小峰)と、北九州で拠点長を務める櫻下侑貴様(以下、櫻下)の2名に北九州へ拠点を置いたきっかけや現在の様子について、お話を伺いました。

※文中の名称は敬称略とさせていただきます。

事業拡大を目指し、新卒雇用のため北九州オフィス設立

メンバーズの事業内容および特徴について教えて頂けますか?

小峰:主にWebサイトやソーシャルメディアの運用、クライアント自社サイトのメディア化サポート支援、そしてWebプロモーションの企画制作など大手クライアントのウェブまわりに関する様々な案件を手がけています。
その中でも北九州は大手企業の大規模Webサイトの運用支援がメインです。

仙台と北九州、どちらの拠点においても「地元で営業活動をしない」という特徴があり、基本的には都心部にいるクライアントへの営業は東京にいるメンバーが中心に請負い、仙台や北九州の遠隔地で運用していくというスタイルですので、給与は東京と変わりませんし、地方の仕事を奪うこともありません。弊社のモットーでもある「社員の幸せ」をサポートすべく、地方拠点でも東京と変わらない仕事ができる体制にしています。

北九州市に拠点を置くことになった経緯を教えてください。

小峰:東北復興支援の一環として仙台サテライトオフィスを2011年7月に、北九州オフィスは2015年の4月にスタートしました。もともと仙台オフィスを立ち上げる前から、遠隔地で東京と同じように事業ができないかと考えていたんですね。2010年頃から今後東京では中途採用が困難になっていくと予測し、事業拡大のために新卒の採用を拡大していくべきではないか––。東京は大小たくさんの魅力的な企業があるため、採用だけでなく就職後も他企業に目移りがしやすい。であれば、私たちは東京で新卒採用を行い地方で育成していくという仕組みを作ろう、と計画しました。

早速、サテライトオフィスの場所を決めるため「行政フェア」に足を運んだのですが、「まずは土地を購入の上、オフィスを建設してください」などと条件を設ける自治体ばかり…。しかし北九州市だけは「条件はあとで考えますので、まずは北九州へ来てください」という懐の深い対応だったため「北九州で何かやろう」と考えたことが、この地に拠点を置くことになった一番のきっかけですね。

北九州市は工業の街ですので工業系の大学や専門学校が多く、弊社が求める技術系の人材とマッチしています。また北九州市では人口減少・流出が課題となっているため、弊社がオフィスを構えることで課題解決に貢献できる。そうした互いのニーズが合致したことが、現在、事業が順調にいっている要因ではないでしょうか。

北九州市からのサポートにはどんなものがありましたか?

小峰:北九州市役所の方にお会いした際、「私たちは新卒の雇用を目的としているので、学校との仲介など採用面のサポートをしてくれないでしょうか」と最初にお願いしました。その後、すぐに北九州工業高等専門学校や麻生情報ビジネス専門学校とつないでくださったんです。

ほとんどの自治体では「起業」と「学校との仲介」が別角度からのアプローチとなるため、このようなサポートはあまり無いようですが、北九州市とは「優秀な学生を育成する場を作るためにも、協力しましょう」という話ができました。

その後スムーズに北九州オフィスの設立は達成できたのでしょうか?

小峰:私たちとマッチする人材がいるかどうかを確かめるべく、オフィスを構える前に北九州エリアで10人ずつ採用を行って仙台へ配属しました。このような対応をしたのは「オフィスを構えたが人材がいなかった」という失敗を防ぐためです。仙台に配属になった学生には「結果を出せれば、北九州にオフィスを構えることができるから」と伝え、彼らのモチベーションを高めていました。その後3年ほど経ち、北九州エリアでの採用人数が増えて採用は問題なく行えるという裏付けができたため、満を持して2015年に北九州オフィスを開設したのです。

「働き方が大きく変わった」北九州で感じた暮らしやすさ

櫻下さんは希望して仙台から北九州へ異動されたと伺いましたが、北九州拠点に対しどのような期待を胸にしていましたか?

櫻下:私は仙台オフィス立ち上げにも関わったので、その経験を北九州でも生かせればと思って希望をだしました。仙台オフィスのスタッフはクリエイターがほとんどですので、北九州でも同様にものづくりのスペシャリストが集まる拠点にしたいと思って。

実際に北九州への移転後、どのようなギャップがありましたか?

櫻下:仙台は比較的簡単に東京へ行き来ができましたが、北九州では物理的な遠さがそのままクライアントや東京本社との距離感として感じられることもあります。今後、テレビ会議などの導入を進めてその距離感や温度感を埋めていくつもりです。弊社では地方で採用しても一度東京へ数年間転勤し、経験を積んで地方に戻るという人材のローテーションを組んでいます。長いスパンではありますが、社内においてはそのシステムを活用し本社との距離感を埋めていきたいですね。

一方、北九州で働くメリットには物価の安さをはじめとした、“暮らしやすさ”があります。保育園の待機児童問題もなく、電車の混雜もほとんどありません。都心部から転勤してきたスタッフは「北九州に来てから、働き方が大きく変わった」と言っていますね。働きやすさを含め、北九州の生活にはゆとりがあると思います。

北九州にオフィスを構える企業には採用面で苦労しているところも多いようですが、御社はどのような施策を行われたのでしょうか?

櫻下:九州のみに限定せず、西日本という大きな括りで採用活動を行いました。ですから関西圏での採用者も非常に多い状況です。
北九州では積極的に学校訪問を行い、週末には専門学校向けに勉強会も開催するなど、つながるための取り組みを構築しています。「見せるオフィス」をコンセプトとしているので、学生さんにも気軽に弊社へ訪れてもらうようにして、企業説明会を行っています。

弊社が求めるクリエイター思考の人材についてですが、東京も地方も熱意や技術にほとんど違いがないと感じます。また、東京に出たいというよりも、地元で働きたいと考えている学生も多いようですね。

クリエイティブの仕事をしていると情報や技術が遅れることがあるので、稀に地方在住をハンデに感じることもあります。その点については先ほどお話したローテーションの制度を利用して、数年は東京で最前線に触れる機会を設け、一定量の知見を蓄えてから地方に貢献してもらうことで、そうしたズレなどが起きないようにしています。

自治体と協力し、多くの企業が北九州で働けるよう改革を

北九州オフィスでの課題は何でしょうか?

小峰:周囲にIT企業がまだ少ないことでしょうか。どんなに優秀であっても弊社の社風にマッチしない方もいます。その場合は他の企業を検討してもらえれば…と思うのですが、企業数が限られるため選択肢が少なく、北九州を出なくてはならない状況になってしまう。
弊社としては他のIT企業と一緒にイベントなどをやりたいと考えていますし、将来的には「もしITの仕事をするなら北九州市だよね」といわれるくらい、北九州を一大IT拠点にしたいと思っているんです。

東京で採用した学生に「北九州拠点に配属」と伝えると、本人だけでなく親や学校も一緒になって抗議されることがあるんですよ(苦笑)。しかし転勤の費用を会社でサポートし、いざ北九州へ行って働いてもらうと「行ってよかった」と話してくれます。毎日、長時間の満員電車に揺られることもなく、同じ広さや間取りで家賃は東京の半分以下の3〜4万円。そのうえ給料は東京と同じ。北九州でそうした働き方ができると発信していきたいですし、北九州の地元企業とも交流を増やしながら「働き方改革」を行っていきたいですね。

今後、北九州拠点の目標はなんでしょうか?

櫻下:仙台・東京・北九州と三拠点があるなかで、まだそれぞれのカラーが明確になっていないと感じています。今後は各拠点の強みを明確に打ち出し、スタッフのモチベーションや採用面において生かしていきたいですね。

北九州市では年に一度、市長がオフィスに訪問してくださるのですが、これは仙台や東京では考えられないこと。手厚いサポートをしてくださって非常にありがたいですし、今後もいい関係を続けていきたいと思っています。

小峰:2020年までに200名までの拡大を北九州市長と確約しましたのでそれが目標ですが、物理的にスペースが無いことが一番の課題と言えるかもしれません(苦笑)。実は、他の企業が進出してこようにも「場所が無い」という問題に直面することが多いようです。私たちだけではなく、これは目下の課題の一つだと言えるかもしれません。また、来年も北九州で40〜50人の新卒採用を行う予定ですので、人員拡大をしつつ、並行してきちんと仕事を回せるマネージャーの育成をしていくつもりです。

櫻下:今年の4月にローテーションの第一陣となるスタッフを北九州から東京へ送り出しました。2〜3年後、「北九州で採用したスタッフが東京へ行き、そして戻ってくる」という最初のサイクルができるため、またひと味違う北九州オフィスとなっているかもしれませんね。

<プロフィール>
小峰正仁
株式会社メンバーズ 取締役CFO 兼 常務執行役員

櫻下侑貴
株式会社メンバーズ クリエイティブマネージャー

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