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立地企業インタビュー

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ビープラッツ株式会社

ビープラッツ株式会社は、携帯電話やクラウドサービスなどの継続・従量サービスを支えるサブスクリプション事業を主力として展開するIT企業です。技術開発や基礎研究促進を目的として、2016年4月より北九州市に「九州開発センタ」を開設しました。

北九州から新しいサービスを生み出す体制が確立されつつあるビープラッツ株式会社CFOの宮崎琢磨様に、北九州に拠点を構えた背景や今後の課題についてお話を伺いました。

※文中の名称は敬称略とさせていただきます。

研究開発拠点を構えるべく、北九州市へ進出

ビープラッツの事業内容や特徴について教えて頂けますか?

私たちは創業以来、主たる事業として利用期間に対して対価を支払う方式のサブスクリプションビジネスへのプラットフォーム提供に取り組んでいます。この言葉にあまり馴染みがない方も多いかもしれませんが、近年は月額利用サービスが増えつつあり、ビジネストレンドにもなっているのです。

弊社で開発しているようなサブスクリプション(購読型)ビジネスのための統合プラットフォームは、私たちのほかですと海外、国内ともに競合他社が非常に少ないことが特徴です。
また、ITベンチャー企業によくある受託開発は一切おこなっていません。「北九州市に拠点がある」というと、特にUIターンを検討されている方は「受託開発や下請けの仕事をするのではないか」と思われたりするかもしれませんが、そういった点では弊社はまったく異なります。北九州においても、自社のプロダクトを開発し事業に参画できることは強みと言えるかもしれません。

北九州市に拠点を置くことになった経緯を教えてください。

取締役6名のうち、私を含め2名が北九州市の戸畑区出身だから……というのは冗談として(笑)、昨今就職活動が売り手市場という背景もあり、ITベンチャー企業では採用競争が激化しています。特に首都圏はその傾向が顕著で、弊社も採用については非常に苦労をしてきました。そんななか、近年では「ニアショア」と呼ばれる日本の地方都市に開発拠点を設ける企業が増えつつあり、弊社もその潮流にならったという経緯があります。

全国各地に話を伺いに行ったのですが、最終的に北九州市へ拠点を置くことにした決め手は市からのサポートが非常に手厚いという点です。弊社のような60人規模のベンチャー企業でも、ご担当者様がオフィスの場所や採用について親身に相談に乗ってくださいました。

また、弊社では北九州拠点を「次の商品を開発するための研究拠点」として据えています。東京に本社があると、どうしても地方は本社のサポートに回ってしまうことが多くなるかと思うのですが、私たちは北九州拠点に設備投資して研究開発の中心としたいのです。
今後その状況を維持するためには、優秀な若手社員の確保が欠かせません。そこで北九州市立大学や九州工業大学などがある中核都市としての北九州市を選んだ、ということも大きな理由です。

優秀な学生との出会いと、市による手厚いサポートが利点

実際に北九州へ拠点を構える前後で、何かギャップはありましたか?

採用面でとても良いギャップがありました。北九州へ拠点を作る前は、弊社のスタッフ60名全員が経験者という、中途入社の社員ばかりでした。北九州でも中途採用を中心に採用するアプローチをしようと考えていたのですが、実際、中途採用の転職は首都圏と比べるとあまり活発ではない。しかし、代わりに新卒採用の市場が企業にはとても魅力的であることに気づいたのです。

首都圏での新卒採用は、どうしても広告や知名度での勝負になってしまいます。学生さんにとっても、我々のようなB2Bビジネスをおこなう縁の下の力持ち的なITベンチャー企業は「そもそも知ってもらえていない」という壁がありました。しかし、北九州は昔から関門都市圏を中心とした工業地帯であり、工業系の大学が多いんです。そのため、高専や工業関係出身の優秀な学生が多く、それに比して企業の数はそこまで多くはありません。結果、首都圏と同じかそれ以上に我々に目を向けていただけるという良いマッチングがありました。

当初、北九州市職員の方も「新卒者を採用すると良いですよ」とアドバイスしてくださっていたのですが、私たちがそこに気づくのが遅く、採用が予定通りに進んでいないことが現在の課題です。とくに新卒採用は年に一度しかチャンスがないため、初年度はそのタイミングを逸してしまって……。
採用活動は相手ありきのためコントロールしきれない部分もありますが、来年以降はこの反省をいかし、積極的に新卒の採用活動を行いたいと思っています。

北九州での普段の業務については、いかがでしょうか?

東京本社との連携は問題なく取れています。想像した以上に問題がありませんでしたね(笑)。むしろ遠隔地にいるからこそ「常に連絡を取り合おう」という意識が芽生えているようです。ですから、同じ社屋にいるよりも頻繁にやり取りをするようになり、業務においての距離感はまったく感じることがありません。
私たち自身がクラウドベースのソフトウエアを作っていて、普段からオンラインでの連携に慣れているせいかもしれませんが…。

また、離れているからこそ東京本社側の足りない部分を俯瞰して見ることができます。そして研究開発拠点と位置づけたおかげで、北九州のほうが先行して技術を開発することもありますし、社員のモチベーションも高く保たれていると思いますね。

社屋が入っている北九州テレワークセンターは北九州市所有の施設ということもあって、設備としては申し分ありません。他社とはそこまで盛んに交流があるわけではありませんが、丁度いい距離感ではないかと感じています。むしろ、北九州市が率先して就職イベント等を開催してくださるので、そこで横のつながりが広がることが多いですね。およそ週に一度の頻度で、北九州市の方とは何かしら報告や相談をしていますが、これも東京では考えられないことです。

弊社だけではなく他の企業も同様で、北九州市では自治体と企業との良好な関係性が完成されていると思います。親身になってくださるからこそ、企業として「その恩に報いたい」という気持ちが強くなるのではないでしょうか。

そのほか、北九州市からのサポートで印象に残っていることはありますか?

今年から「産学共同研究開発プロジェクト」に参加することになり、大学や研究機関とのつながりができるようになりました。こうしたプロジェクトへの斡旋も北九州市の働きかけによるものです。仮に私が北九州市出身だとしても、単身で大学機関などに打診をしたところでなかなか相手にしてもらえないんじゃないかと思います。そこで間に立って深い関係性を作り出してくださるのは、本当にありがたいことです。

企業と学生、ともに「地方にもチャンスはある」と意識変革を

今後、北九州拠点の目標はなんでしょうか?

我々の事業領域、特にIoT(モノのインターネット)分野においては、北九州市全体でも現在地域課題をビジネスの視点で解決すべく、IoT技術に基づいたサービスの創出を支援・推進しているため申し分なくマッチしています。
ですので、目下の課題としては、「北九州市での人員拡充に取り組むこと」ですね。誘われた就職イベントには全て参加するなど、コツコツと取り組んでいます。こちらから働きかけなければ人々の目に触れていただけない分野でもありますので。

本社の東京では、就職/転職エージェントの数もサービスも多様であるがゆえに、求職者が会社のカルチャーや事業内容などをよく理解していないままマッチングするケースもありえますが、北九州ではそういった考え方を変えていかなくてはいけないと考えています。
そして将来的には、個人的な野望として開発スタッフの数が東京と逆転するまでに成長させたいですね。私たちの業種特有と言えるかもしれませんが、弊社は「作らなくてはいけないもの」が決まっているわけではありません。サブスクリプションビジネス自体がまだ新しいサービス業態でもありますし、初めてサブスクリプションを事業に組み込まれるお客様がほとんどです。
ですから「これまでに無いもの」を作らなくてはいけないという使命があり、「過去に何を学んだか」よりも、むしろ「新しいことをどう考え出すか」という努力が求められます。そうすると優秀な若い方、特に学生さんの存在に目が行くんです。北九州の学生さんの優秀さは東京にまったく引けを取りませんし、私たちも新たなアイデアを創出したり挑戦ができる環境があること、さらには北九州市からの支援によって学生さんから目を向けてもらえています。

皆さまにぜひ知っていただきたいことは、「北九州には東京と同じように働ける環境や機会がない」ということが皆無であるということ。就職イベントで学生さんと話していると「自分がやりたいことを達成できるチャンスは、東京にしかないのではないか」と考え、地方を過小評価している方がまだまだ大多数いるようです。
しかし、いま、さまざまな企業が北九州に進出していますし、企業自身も北九州から大きく広がっていこうとしています。今後は学生と企業の両者が持つ「東京じゃないとできない」という先入観をなくし、より良いマッチングが生まれる環境になっていくのではないでしょうか。

<プロフィール>
宮崎琢磨(みやざき・たくま)
株式会社ビープラッツCFO & Co-Founder
大学在学当時よりプログラマとして活動。フリーランスのプログラマを経て、1998年ソニー㈱に入社。VAIO事業に中核メンバーとして参画し、プロ デューサとして、映像・音楽・ネットワーク・ソフトウェアの領域を中心に、PDA事業、音楽配信事業など多分野にわたりビジネス開発の経験を持つ。 2005年7月よりライセンスオンライン㈱に戦略開発事業部長として参加。ビープラッツ㈱設立に参加(現職)。東京大学卒、1972年生。

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